地球温暖化対策の視点



 2007年に入って地球温暖化対策の動きが一段と活発になってきました。わが国を始めとして各国の首脳が京都議定書以降の新たな枠組み作りに動き始めています。地球温暖化対策の動きは待ったなしの取組みが必要となってきています。

 自動車に使うエネルギーを化石燃料からバイオ燃料に変えようという動きが活発になっています。アメリカ、ブラジルでのバイオエタノール生産の動きが日本にも影響を及ぼしているのもその一つです。

 何年か前に、使用済みのてんぷら油を回収し化学反応を加えてジーゼル自動車の軽油代替の燃料、バイオディーゼル燃料を製造しているNPOの製造現場を見学する機会を得て、感動したことを覚えています。バイオディーゼル燃料は、バイオマスエネルギーであり二酸化炭素の排出量が実質的にゼロに換算できるだけでなく、廃食油をリサイクルし再生される新しいエネルギー資源だからです。まさに地球温暖化対策として一石二鳥の効果が期待できるエネルギーです。

 地球温暖化対策のバイオ燃料一つとってみても、大きくいって二つの取組みがあります。一つは国全体の法規制とインフラ整備により、大きな企業や組織がバイオエタノールやバイオディーゼル燃料を製造し販売していく方向です。もう一つは、地域の住民たちが環境意識に目覚め、自分たちの地域にバイオ燃料を生産する小規模な施設を持ち、地域の用途に使用していく方向です。すなわち、地産地消の方向です。

 地球温暖化対策には両方の視点が必要です。その中での第二の方向は、一つ一つの取組み自身は二酸化炭素の排出量削減効果からしたら微々たるものかもしれませんが、地域の住民が取組める身近な方向といえるでしょう。小さな取組みを積み重ね合わせることに大きな効果が生み出されてくるものです。

 わたしたちは第二の方向を支援していきたいと思っています。

諏訪東京理科大学大学院 工学・マネジメント研究科 古舘信生、北原良一

経営情報学部・経営情報学科 堀江貴充



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