バイオディーゼル燃料について



バイオディーゼル燃料(BDF)とは
 バイオディーゼル燃料(BDF)は、天ぷら油などの植物性油をアルコールと水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)などのアルカリ触媒によりエステル化して作られた軽油の代替燃料です。ヨーロッパやアメリカなどでは、CO2削減のためにバイオマス(植物由来)エネルギーの普及に力を注いでおり、BDFの普及が進んでいます。
 日本においては、税制面や法的規制の壁があり、普及の妨げとなっていました。しかし、近年では環境意識の高まりから、ベンチャー企業やNPOにより廃食用油の燃料化の試みが始まり、徐々に普及が進んでいます。

特徴
・ BDFは植物性のディーゼル燃料で、軽油とほぼ同じ燃料特性です。
・ 軽油を燃料とする自動車、トラクターなどにそのまま使用できます。
・ 大気中のCO2増加を抑制します。
・ 排ガスの黒煙を減らすことができます。
・ 硫黄分がほとんど含まれていないため、硫黄酸化物を排出しません。
・ 再生可能なバイオマスエネルギーです。
・ 潤滑性、洗浄性に優れています。
・ 石油と違って国内での自給が可能です。
・ 軽油とは相性が良く混合しても使えます。





効果
・ 地球温暖化の防止
・ 大気汚染の防止
・ 廃棄物の削減
・ 農業の振興と発展





課題
・ 軽油と混和した際の軽油取引税の課税(ヨーロッパでは環境税が免除されています。)
・ 低い認知度
・ 廃食用油で作る場合の安定した品質の確保
・ 国産車両での保証(ヨーロッパでは自動車メーカーがBDFの使用を保証しています。)
・ 廃棄物処理法による規制


バイオディーゼル燃料(BDF)の作り方
 BDFは天ぷら油などの植物性の油を原料として、アルコールと水酸化ナトリウムなどのアルカリを触媒とした化学反応により製造されるディーゼル燃料です。原料の油は未使用の食用油を使用すれば比較的容易に製造できますが、食料自給率の低い日本では、食材として使用された後に廃棄される油を再生することが望ましいと考えられます。
ここでは廃食用油を原料としたBDFの製造法を紹介します。

廃食用油からの一般的なBDFの製造法
・ 廃食用油の不純物を除去し、60℃に加熱した後静置して水分を分離させる。
・ メタノールに水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)を混合して溶かし、反応溶液ナトリウムメトキサイドを作る。
・ 60℃まで加熱した廃食用油にナトリウムメトキサイドを添加し、60℃を保持したまま1時間攪拌する。
・ 下層にグリセリンが沈殿するまで8時間以上静置する。
・ グリセリンの排出後、温水を加えて3回程度攪拌洗浄する。
・ 温水を排出するとともに加熱して水分を除去し、出来上がり。




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